好きな事を仕事にする。
それが叶えば幸せでしょう。
努力して仕事にできた人もいれば、たまたま機会に恵まれたラッキーな人もいます。しかし誰もがそうなれるわけではなく、多くの人は特に好きでもないことを仕事にしています。だからといってそれが何か悪いわけではありません。
仕事とは何か?なんて人それぞれ。
仕事が大好き、生きがい。それはそれで素晴らしい事でしょう。しかし「仕事なんてただの生活の手段。良いも悪いもない。」という考え方も間違いではありません。本人がそれでよければ誰からも否定されるいわれはありません。
解剖学者の養老孟司氏と精神科医の名越康文氏との対談を収録した書籍「虫坊主と心坊主が説く 生きる仕組み」(実業之日本社)のなかで、「好きなことを仕事にするということについて、どうお考えでしょうか? 」という質問に対し養老氏は「そもそも、やりたいことっていうのは仕事じゃねえよ。僕が好きなのは虫だもの。」と答えています。名越氏も「僕はやりたいことをみつけた方がいいという気はしますが、やりたい仕事をやりましょうっていう話には現実感があまり持てないんです。だって僕は、やりたい仕事がなかったから精神科医になったんやから。消去法です。」と返答。それぞれの業界の第一線で活躍するお二人ですが、「好きな事を仕事に」という考えにはあまり肯定的ではないようです。
また、好きなことを仕事にするのも、それはそれでハードです。マンガ「ブルーピリオド」の作中で「好きなことをやるっていつでも楽しいって意味じゃないよ」というセリフがあります。1つの絵画作品に魅了されたことをきっかけに美術の世界へと進んだ主人公ですが、ひとつの作品を描き上げるまでに多くの試行錯誤や苦悩、時には自己嫌悪に陥ることもあります。何事も楽しいことばかりではないものです。
「好きなことを仕事に」が唯一絶対の正解ではありません。働く理由なんて「食べるために働く」でよいのです。単純なルーティン業務でも自分が納得して特に大きな不満もなく仕事できているなら、それでじゅうぶん幸せなことです。


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